編集後記画家のご紹介(40) 目次に行きます…
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タンザニア絵画展前、「画家と画商」2004
タンザニア訪問記
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「マチョとその兄弟たち…」

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画家マチョ
彼の名前が“目”と言う意味を持っていたなんて事を知ったのは、ミスターエドウィンがタンザニアからホームスティに来たおり、調度ティンガ2展(2003年)を手伝ってもらったからでした^^;

マチョ…何処となく憎めない、マンガチックな素人っぽい作品を描く画家です。何処かのお寺の小僧さんを思わせる雰囲気を持った青年です。
彼の描く作品は日本には沢山のファンがいます…

しかし…しかし、彼は自分自身でどんな点が絵を買ってくれるお客さんに好まれているのか分っていなかったのです。なぜなら、特別に注文した作品を見せてもらうと、驚く状況がありました。
サービス精神を発揮し、一生懸命描いた作品…そのわりには、魂が見えなかったのです。
何故、最初の作品…お手本通り描けなかったのか?…
そして…私は「はっ!」としました。
感性が光る作品を得る為には、時間性の中に“偶然”という言葉を発見しなければならなかった。
(ぐ、ぐうぜん?!)

アフリカの中でも平安な国、タンザニア…神が宿るような安らかな大地…勿論、時々生活に行き詰まって、我々観光客を騙すような事はありますが。家族愛という国家理念、ウジャマーによって国民は幸福に守られていたのではないでしょうか…
そのようにして心が豊かな国だからこそマチョは、お客様から喜ばれる作品を描けたのではなかったでしょうか。そんなマチョ…自由を行く画家にプレスのように同じ絵をお願いする方がおかしな事…だったのです。
全く愚かな日本人です…
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マチョの汚れたズボン
…暑いので、裸でいることは別に気にならないタンザニアでの生活ぶりです。特にマチョは平気でした。

エナメルペイントで薄汚れたタンパンを一つだけ身につけて、お店の奥の涼しい場所に腰掛けて作品を手掛けていました…

しかしやはり私は悲しい気持ちで一杯でした…
(すぐには私自身による失敗は気が付きませんでした)

絵画は残念な事に判で押したように、プレス機で鉄板をかたどるようには描けません…
原画、すなわちオリジナル…この世に作品は1枚!なのです。
あらためて、作品の希少価値を知りました。

そして原画を仕入れる事と販売する難しさを知りました…
安く売っても生活に結びつかず、高く売ろうとしても売れない…そして、画家を助けようとしても、画家自らを助ける作品は注文通り描けない…
…画家を助けるなんて傲慢でした。

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ペイント缶に筆を浸すマチョ
デッサンの基礎も無い彼が描く動物は、何処となく締まりの無いマンガにも似ています。感性がずば抜けているかといえばそうでもなく…非常に中途半端な位置に存在するのが彼の作品であろうと思われます。

しかし、あっと驚く作品を発表する事もあるのです…

そんな彼の作品は、私自身がデッサンを学ぶ前の状態と何処となく似ているような気が時々するのです。下手なのに一生懸命に描く…そんな姿です。

しかし私と違って家族の情愛、親子愛、夫婦愛、そんなテーマである精神世界を描き続ける事はすばらしい…けして真似しようとしても出来な所です。
そして彼の描く動物からは女性を唸らせる愛らしさを、感じさせるのです。
…男性なのに女性のような心情も持ってるのでしょうか?
そういえば…彼の目には少女漫画に見る星を見出せないでも無いのです…う〜ん。(~o~)
そうすると、彼のような優しい気持ちを絵画に投入できるアフリカの画家…というと、もしかすると…マチョだけ…そんな貴重な存在なのかも知れませんね。

マチョを理解する日本のファンは沢山います…
焦らなくても、これからも日本のファンから支持されるに違いありません。
こちらさえ焦らなければ…
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大きなキャンバスに向う
トタンの屋根の掘建て小屋のお店の裏で、涼しそうに作品を手掛けるマチョ。大きなキャンバスを縦に5等分、横にも5等分して小さな小さな作品を一度に描いていました。お土産用です…お土産用の作品です。

何処となく弱々しい、力仕事では食べてはいけない感じを受けます。

そんな彼にも弟がいたのです。

作品を見るとマチョの描く愛らしい動物たちがいます。
しかし作品にはファーストネームを書いたり、ファミリーネーム?を書いたりするマチョ…
いや、そうではなかったのです。
弟の名前だったのです。
完全に弟が手掛けたものだったのです。
だから、時おり見たことの無い名前が発見されていたのです。
そして、何処か少しマチョ本人のセンスとは違っていたのです…
私は謎が解けました。…スワヘリ…あなたの作品だったのか!?


弟スワヘリ…
同じキャンバスをマチョと二人して描いている場面に遭遇した時、その謎は氷解しました。

ティンガティンガ村では、絵が売れても全ての代金を得るわけにはいきません。
ティンガティンガアーツに何パーセントか入れなければなりません。ですから、売れた金額は記録され、後から絵画代は画家へ支給されます。その為に、絵画の裏にはしっかりと、名前が入っています。間違う事無い独自性のある作品には、イニシャルだけというぐあいですが…そうでなければ、大きく名前が書かれてあります。しかし、同じような作品が混在しているので、よく見て購入しなければなりません…
画家と弟子、そして模倣する画家の卵たち…個人のオリジナリティなどお互い尊重しあいません。よっぽど特徴がなければ、様々な模倣が繰り返され、誰が本家本元なのか分らなくなるのです。

しかしそれが欠点なようで、そうではなく、長所であると考えられなくは無い事もあります。
それはまた後ほど伸べます…
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ある時、アーツの外にいますと、小さな背丈の男が私の前に立ちはだかり、何やらブツブツ喋っていました…東洋人的なアフリカ人です。
名前は「シヤヤ」というらしく、どうやら、マチョの兄にあたるという事が分って来ました。そうすると、マチョは3人兄弟?
もっといるのかも知れませんが、面白くなって来ました。
だって、オジャジャモンデの弟がムクラでしたから、ここは血のつながりが何処かにあるわけで。やはり、元祖画家ティンガティンガにちなんで、何処かで血統がつながっているのでしょう。


スリップウエイのシヤヤ
シヤヤは日本語を少し話し、東洋的な顔をした画家です。

まさか、彼がマチョのお兄さんだとは…

それにしても、アルコールが昼間からプ〜ンと臭って来ます。
絵が売れると酒に手を出すというのは、元祖兄弟のティンガティンガとムパタ以来、ここの伝統になっているのかも知れません。
酒を飲んでもらう為に、一生懸命日本に彼らを紹介しているのではないのですが…それは、仕方ありません。私としては、少しくらいの経済は必要でしょう?…そんな気持ちなのですが。
お酒を飲むな!とはいえません…酒は百薬の長。

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それでも、ダラダラを降りて歩いてからが長かった…
私はアフリカで、体力を身に付けているようでした。
彼らは当り前の事でしたが。
私はシヤヤのいうスリップウエイを目指していたのです。
アフリカに行って現地の人を信じてのこのこ付いて行くなんて…良かったのでしょうか?
危険な行動だったのかも知れませんね…シヤヤのお店に来てみないかと誘われて付いて行く事になったのです。面白いティンガティンガと出会えるかもしれないと思ったからです。

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(40)
2004.1.12
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