編集後記画家のご紹介(42) 目次に行きます…
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タンザニア絵画展前、「画家と画商」2004
タンザニア訪問記
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「ジョナスの才能。」

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画家ジョナス
2002年の展示会で一番評価を頂いたのは画家ジョナスでした。

セミスポンサーのご職業などは全然知りません(広島市安佐北区の方)…がしかし、展示会最高額でご購入頂き、その評価はティンガティンガとしては大変満足のいく内容のものであったと思います。

ダイヤモンドではないにしてもタンザナイトの輝きほどはあるジョナスの描くティンガティンガです。

2002年に訪問した際、彼の絵を見た私は、キャンバスに黒い汚れがあることに気が付き…あとでB館の会計さんに「これが無かったらいいんだけれど…」そういったのを憶えています。(「それさえなければ買いたい。」)そんな気持ちでした。
それは青いトラクターが描かれた作品でした。
会計さんは、その汚れをシンナーかなにかで落そうとし始めていました。
しかしそのキャンバスからは、薄汚れた色は落ちなかったのです…その後気が付いたのですが、申訳ないことにそれはトラクターから出ていた煙だったのです。(け、煙を描いていたのか…^^;)

…ジョナスの作品は、トラクターの通ったタイヤの跡などでも分るのですが、そのような細やかな描写を描く特徴があるのです。

その時にはそれほど気が付かなかったのですが、数百枚の購入作品の中で後からブズブスと作品が光輝き始めたのです。特に作品「トラクターとアフリカの仲間たち」は絶品でした!ティンガティンガは、もともとトラクタートラクターと言う意味ですが、それに引っ掛けて描かれたその作品は、2002年度ティンガティンガ村を代表する作品と表現したとしてもいいすぎではなかったと思います。
しかし額は、中国へ行った時に購入してきた鈍く光るゴールドでした…この作品にしては、少し物足りなかったのですが、問題は中身…作品がよければそれでよかったのです。
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画家ジョナスの作品
広島市安佐北区在住のセミスポンサーが収蔵する作品「トラクターとアフリカの仲間たち(一部)」です。

最初2002年に絵を持ってカメラに収まってもらったのが本人と思い込んでいたので、2003年にあらためて彼を紹介された時、「ほんと〜?」て、疑ってしまいました。
全く違う人物だったのです。
その当時絵を掲げたのは本人ではなく、単に近くに居た人だったのだと分ったのです。
……
彼は案外小柄な身体つきで、少年のような感じを受けました。
しかし、ある朝風の強い日に村を訪れると、店の前で絵を黙々とただひたすら描いている彼を見つけました。まだ他の画家も全員揃っていない時間でした…
彼の持つ絵筆は早いスピードでキャンバスの上を、ペイントに筆を浸す時と、タバコを吹かすとき以外は、走り続けるのでした。
その集中力はすばらしいものがありました。
その日も何処かの誰かの注文の作品を描いていたに違いありません…
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私は彼に5枚の作品をお願いしたのですが、後で公開したいと思います。
出来ていた作品を選んで購入するのと、注文して描いてもらうのではちょっと差があるのは仕方ないのですが…
それらの作品は、本当は2003年の展示会に出すつもりでいたのですが、機会に巡り合えず原画のままでいました。


画家ジョナスの作品と手
…ジョナスは世界に通用する才能を持ち合わせていると思います。
思い過ごしでしょうか?

彼の姿は、マイペースで作品は着々と完成に向っている事が分ります。
すぐそばには彼と同年代の若者がうつろに突っ立っているのです…
青年であるのに、何処を見つめているのやら、自分の世界にフワフワ浸っているようです。
何を考えているのか…と皮肉るよりも、何も考えてないという表現に近いので少し心配になります。仕方ありません…彼らには仕事が無いからではないでしょうか?
日本から送られた中古の車の下に潜って、青年たちがこぞって車の中身を覗いている姿は何処でも見れる風景です。…それは時間つぶし…だと後から分りました。

しかしジョナスは好きな絵を描けて、オマケにセミスポンサーまですでに付いているのですから幸せです。皆何かで食べていかなければならないのに、その食べていける仕事が無いのです…
車道でピーナッツや電気スタンドを売るだけの根性を誰もが持っているわけではないのです。
必死に努力しても、身入りはほんの僅かばかりのものに違いありません…
だから、ジョナスはまだそんな彼らと比べれば幸せなのです。
ラッキーなタンザニアの青年なのです。
(日本では5%、タンザニアでは50%の失業率です。)
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画家ジョナス
大きな絵を描いています。
色んな動物たちが人間のように振舞っている姿は、ジョナス独特の世界ですネ…

この日は、日曜日の朝…風の強い日でした。

絵の販売を始めて間もなく、家の新築のお祝いにと…弟さんがお姉さんに贈る為に御注文下さったその絵がジョナスの「動物病院建設」でした。
元祖ティンガティンガが描いたものとは又全然違う作品を、白紙状態で見つめていましたが…ちょっと魅力的だったので、所有している事で幸せな気分を得ていたのでしょう。
手元からなくなると、ポカンとしたような空虚さを少し感じていたのです。

しかし、愛くるしく描かれた動物たちから不思議な魅力を感じ取っていたのは私だけではなかったと思います。


動物病院の建設で鎚を…
100円ショップで購入すれば、たった105円で手に入るトンカチでも、アフリカの動物が使えば…それは、世界に一つしかないトンカチです。
ジョナスがトムソンガゼルに持たせました。

しかし、彼の原画には、たいてい割れが生じるのです。
ペイントの載せ方が悪いのか、どうなのでしょう?
木枠に布を張る方法に癖があるのかも知れません…

中には、そういった表面の良くない状況が露出する作者の作品もあるのです。
布の上に載るペイントの載り具合が良くないものなどは、パリパリと剥がれ落ちてゆくものもあります。悲しい現実ですネ…

私は彼らに油絵の道具を持たせてあげたいと、そう思う事がしばしばあります。
油絵の技法を身に付けたなら、どんなにかすばらしい作品を産みだすに違いありません。
油絵の魅力を知れば、また画家自身も、もっと一つの作品に集中して描く事が出来、完成度も上がるに違いありません…
だから私は、単なるエナメルペイント画家で終わって欲しくはないと、彼らには思いがあるのです。しかし、それも自らを助けられるものが次のステップへと上がれるのであり…すべてのティンガティンガ画家がそうなる事は不可能だと思われます。

そんな候補者の一人がジョナスなのです。
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ティンガティンガアーツ
寡黙な、実に寡黙な青年ジョナスです。

画家が雄弁なのは稀であり…画家の言葉はつまり、作品でしかなような気がします。

例外もありますが、失語症のごとく音声のある言葉が、何処かに消えてしまっている…それが絵筆を取った人間の一つの理由であると言えなくはありません。
ジョナスも実は、どんな声を発するのか、私は知らないのです。
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(42)
2004.3.14
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