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目次に戻ります。アフリカの書籍はここで〜す!な、何のお話?

コートジヴォワール
著者の夫がサラリーマンを辞めて、小学校就学前の娘二人を持ちながらも大学に戻るための受験勉強を始めました。しかし、見事に大学院に入り、のちにはアフリカの現場に向かうようになります・・・そのような中で得た日々の暮らしを日記のようにつづられます。そして、平凡な生活の中でアフリカの魅力に目覚めて行く事になります・・・

[アフリカの「小さな国」]
副題:コートジヴォワールで暮らした12ヶ月
最近、ジャンヌは夕方などに時間があると、テラスで新聞を読んでいる。「あら、ジャンヌ、新聞を読んでいるのね」と、私がいうと、「ん、ちょっと新聞を見ているだけ」なんて、少し恥ずかしそうにしている。


ジャンヌがうちに来た頃は、字を読んだり書いたりできなかった。もともと彼女は村の良家の出身だったが、子供の頃にお父さんが亡くなり、学校は小学校の四年生でやめてしまった。・・・秋に娘がアビジャンに滞在していた折に、彼女のフランス語の復習を娘に手伝ってもらった。

小学4年生の社会の教科書を買ってきて、のべで一ヶ月くらい勉強した。夜、寝る前に一、ニ時間ほどだ。ジャンヌはみるみる上達した。もともと基礎はあったし、公用語のフランス語を日常でも使っているので、語彙の数は多く、いいまわしは私などよりはるかに知っている。・・・

ジャンヌは食事を作ってくれるお手伝いさんの事で、近くのマルシェ(スーパー)で野菜などを買いおいしいものを沢山作れる女性です。この国では金が溜まるとそれを誇るように、コットン生地で作られたパーニュという日本での着物に匹敵する洋服を買い貯めて行く。安くて600円くらいから高くて10000円くらいまでのものです。パーニュを着るとよく似合うジャンヌに色々とこの国のことを教わりながら1年間過ごします。そのような中でクーデターにもでくわすことになります。1999年12月23日・・・

[アフリカの「小さな国」]
日本人会の連絡網による電話で、「バンジェルヴィル(首都アビジャンの隣の旧首都)で軍に不穏な動きがあります。今日の午後は外出を控えてください。・・・」
また電話。「軍がプラトー(アビジャン市の官庁街)に侵入し、ラジオ局を占拠しようとしてます。今日は自宅待機としてください。」
このところ、次期大統領選にからむ反対派との衝突、学生デモなどがあり治安があまりよくなかった。いよいよはじまったかなと思っていると、外でバンバンと音がする。・・・「あっ、機関銃!」と思い、窓から外を見ると、軍のジープに乗った兵隊と、そのうしろの“調達された”タクシーからも、兵隊が空に向かってバンバン、機関銃を撃っている。・・・ジャンヌが、「窓を閉めましょ」という。「そう、流れ弾にあたったら大変」・・・

中央アフリカの国連軍へ送られた兵士たちの手当てがまだ支払われておらず、クリスマス、年末が近づきお金が必要となり、ある司令官のところへ談判に行った。しかし、よい返事をもらえず不満の勢いにのって、放送占拠にいたった。・・・

兵士たちは、何のアピールも無く、街をグルグルまわり機関銃を撃ち鳴らしていたというのですが・・・まるで暴走族。しかし、給料支払えないのか?支払わないのかは分かりませんが、自然の発露という感じですね。仕方ありません・・・単刀直入な彼らの行動は、けしてただ野蛮といえません・・・時として、羨ましい素直な行動であるとも思えます。この後、彼ら若い兵士たちは、新しい大統領に国軍参謀総長のロベール・ゲイ将軍を担ぎ上げます。12月26日には前大統領は出国し、12月27日は夜間外出禁止令の解除があり民間は正常に職場復帰をなし、バスも動き出したといいます。非常に手際がよかったようです。

振り返ると不思議で重要であった点があります。クーデターの動きを察知した政府が、「部隊、警察、憲兵に応戦しないように」との指示を与えたという事です。応戦していたなら、市街戦で凄惨な流血騒動に発展した筈でした。政府の中でクーデターに積極的なものと消極的なものに分かれ、後者は流血を恐れて被害を最小限に留めたのかも知れません・・・?

そして著者は2000年4月25日帰国に向かいました・・・
[アフリカの「小さな国」]
2001年7月末・・・再びコートジヴォワールのアビジャンに向かう。・・・荷物を押して空港の外に出ると、知っている運転手さんが、「お帰りなさい」といって抱擁してくれた。飛行機の到着が二時間遅れたのに、彼はずっと待ってくれていたのだ。・・・車を降りるとジャンヌと小躍りしながら抱き合って再会を喜び合った。・・・ジャンヌは私たちの出発後、毎日毎日、泣いて暮らしていたそうだ。・・・

著者の帰国後に、5回の騒乱があり、300人が亡くなります。2000年10月の選挙後、各政党支持者同士や治安部隊との間で凄惨な殺戮があり、12月にはRDR(ウワタラ派)支持者と鎮圧部隊の衝突、2001年1月には二度目の国営放送局占拠。大統領はゲイ大統領から、バボ大統領に代わります。しかし、2002年1月22日には、バボ、ウワタラ、ゲイ、ベティエ(元大統領)の四者会談が行われ落ち着きを取り戻しているという事なのですが・・・このような政治の混乱した中で暮らす住民の気持ちはどんなにかやるせないものであったでしょう。ジャンヌも天国から地獄に突き落とされたような自分の境遇の中で、さぞ辛かったものと思われます・・・


題名:アフリカの「小さな国」
著者:大林公子
(おおばやしひろこ)
初版:2002年3月20日
発行所:集英社
02.11.18


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